【東京電力HDならではのテレワークオフィスとは?】

2020.08.07

右から企画開発担当の佐藤プロジェクトマネージャー、藪内さん

東京電力ホールディングスが展開する法人向けの郊外型テレワークオフィス「SoloTime」。インフラを支える企業が、なぜこの事業を立ち上げることになったのか、その経緯や想い。また、東京電力ホールディングスが考えるこれからの働き方について、SoloTime津田沼店にて企画開発担当者が語った。

生活基盤として、第三のスペース価値を提供していきたい。

―テレワークオフィス事業を立ち上げたきっかけは?

佐藤:東京電力グループは電気とガスを提供しています。関東のインフラを担う企業として社会に貢献できる事業は何かないのか?と考えたところ、テレワークオフィスを郊外に作ることで、さまざまな方々に柔軟な働き方ができる場所を提供したいと思ったのが、そもそものきっかけです。

私はもともと人事部門出身で、育児を経験しているということもあり、これからの働き方に対して大変興味もありました。

藪内:私は、一都三県から毎日満員電車で都心に通勤している人々が目に入り、『わざわざ都心まで、毎日必ず通勤して仕事をしなければならないのだろうか?』という、率直な疑問がありました。そして、この通勤問題をなんとかした方がよいと思ったのがきっかけです。

佐藤:私も藪内も事業を立ち上げるという経験がなく、最初はとても苦労しましたね。テレワークオフィス事業をされている他社と比べると、私たちは後発隊になるのですが、実際に法人向けテレワークオフィスを何ヶ所も利用したり、全国のコワーキングスペースを利用したりと、情報を地道に集めてはおりました。

そして、実体験を基にここはこうした方が利用しやすいのでは?と話し合いを重ね、その意見を散りばめながらSoloTimeを作り上げていきました。

藪内
SoloTimeの運営が始まってからが、さらに大変でしたね。手探りで作り上げた事業のため、不十分な部分もありました。ですが、その都度お客様の声を聴きながら、課題を改善し、次の店舗に活かすこともできましたね。

気持ちよく働くためには、仕事をする空間も大切。

―設計や空間デザインにおいてのこだわりは?

佐藤:これまでさまざまなテレワークオフィスを利用してきて大切だと感じたのが、働きやすい空間です。そこで、様々な企業と意見交換していく中で、私たちはコクヨ株式会社へデザインを頼むことにしました。

コクヨさんはオフィス空間のプロだけでなく、リーマンショック前にサテライトオフィス事業を行っていた実績があり、働き方も先進的で、このような事業に知見があるという点も心強かったですし、私たちの事業に対する熱意も感じました。意見交換もたくさんさせていただきましたし、実際にコクヨさんがデザインしたサテライトオフィスなどを沢山見学させてもらったりもしましたね。

藪内:最初はコクヨさんにSoloTimeのコンセプトをお伝えしました。郊外にあるテレワークオフィスだけれども、洗練されたオフィスでゆったりと長時間働けて、女性も快適に過ごせる場所を作ってくださいと。女性が使いやすいテレワークオフィスという点がこだわりで、細部にまでも気を使った空間にしてほしいという想いがありました。

また、長時間座って仕事をしても疲れにくい椅子を選んでいただきました。照明も作業をするソロスペースは明るい照度のものを。リラックスするためのオープンスペースは、あたたかみがある照度に。どの店舗も、仕事を効率よく進められる空間デザインだなと自負しています。

多様な働き方に柔軟に対応できる、「家チカで仕事ができる」メリット。

―満員電車が私たちに及ぼす影響や、家チカで働くメリットとは?

佐藤:都内で働く人の通勤時間は平均2時間弱。通勤時間が長い人ほど通勤ストレスが高く、通勤ストレスが高い人ほど、仕事満足度が低いというデータが実際に出ています。

家チカで働けるメリットとしては、満員電車に乗る必要がなくなる。子どもの急な発熱に早く対応できる。父親も育児や家事に参加できる。などがあります。

新型コロナの自粛期間を経て、在宅で仕事をすると生産性が下がるという意見がほとんどでした。椅子もオフィス仕様でないから疲れる。子どもの面倒を見ながら仕事を進めなければならない。家族がいるのでオンライン会議がしづらい。そういった点で、SoloTimeは集中してソロワークができるため、とても便利だというお客様からの声がありました。

藪内:営業の方はこれまで、都心にあるシェアオフィスをタッチダウン(外出先で一時的に仕事ができる場所)的に利用するケースが多かったんです。最近は都心で営業訪問した後に、自社に戻らず家の近くのシェアオフィスを使うという働き方をされている方もいて、郊外の自宅近くにオフィスがあれば、帰宅ラッシュを避けて先に戻って仕事ができるというメリットもあります。SoloTimeは入退館システムがあるため、きちんと仕事をしていることも会社にしっかり伝わります。そういったそれぞれの働き方に合わせて活用できるのが、SoloTimeの良さだと思っています。

―今後、SoloTimeが考える「これからの働き方」とは?

藪内:これからは時間や場所にとらわれない働き方が主流になっていくのではないかと思っています。都心にあるオフィスと在宅でそれぞれメリットデメリットがあり、二者が補えない部分をSoloTimeが補うという立ち位置です。

佐藤:都心のオフィス、在宅、家チカのワークスペース。この3つの働く場所をうまく活用することで、Face To
Faceでの会議などは都心のオフィス、ソロワークに集中するのは家チカのワークスペース、介護や育児などがある場合は在宅中心で、という働き方に自然となっていくと思います。

SoloTimeはそういったニューノーマルな働き方を支える第3のワークスペースとして、仕事を効率的に進められるような仕組みに貢献していけたらいいですね。

働く場所は、社員のエンゲージメント向上や多様な人材活用につながる。

―社員のエンゲージメント向上や人材を有効活用するために、企業がすべきことは?

佐藤:企業にとっては人材の最大限の活用が大切です。都心のオフィスだけではなく在宅勤務のスペースやテレワークオフィスをうまく活用することで、個人が持っている能力やポテンシャルを十二分に発揮してもらえます。

また、都心のオフィスのコスト面についても、新しい生活様式になるとソーシャルディスタンスを保つために、スペースを増やさなければならない。スペースを増やせばその分コストもかかります。そうしないためには、こういった場所を上手く活用して、社員が都心の会社で仕事する必要を減らすということが重要になってくると思います。そうすれば、通勤ストレスもなくなるというメリットもある。そのためにも、ぜひSoloTimeを活用いただき、業務の効率化に寄与できたらと思います。

藪内:会社が働き方や働く場所をきちんと整備するということは、社員が高いパフォーマンスを発揮するための良い環境を整え、多様な人材を活用していきますというメッセージにも繋がるのではないかと思います。最近は働き方でも会社を選ぶ時代になってきているようです。そういった面でもSoloTimeを活用いただき、人材の最大限の活用につなげていただけたらと思っています。