【時代に求められるのは、ワークプレイスのネットワーク化 社会インフラへと進化するサテライトオフィスの最前線】
コロナ禍によって多くの企業が在宅勤務を経験し、「テレワーク」という言葉が一般に浸透しつつある。作業に集中できる、移動がないことで時間を有効活用できる、ワークライフバランスが向上するといったメリットが見えてきた一方で、自宅でのワークプレイスの確保やオンオフの切り替えが難しい、といった課題も浮き彫りとなっている。
ワークスタイル / ワークプレイスの変化が著しい今、注目を集めるのがサテライトオフィス(時間貸シェアオフィス)の存在だ。自宅でもない、オフィスでもない、いわゆる”サードプレイス”としてのサテライトオフィスは、「都心のオフィスに行くのは時間がもったいないけど、自宅だと作業に集中できない」「クライアントへの訪問や打ち合わせの後、オフィスに戻らず快適に働ける場所が欲しい」など、柔軟な働き方を求めるユーザーにとって、なくてはならない存在になりつつある。
そんな中、2020年7月、都心のターミナル駅周辺を中心に展開する野村不動産の「H¹T(エイチワンティー)」と、東京近郊の郊外エリアを中心に展開する東京電力ホールディングス(以下東電HD)「SoloTime(ソロタイム)」が、相互利用提携契約を締結した。別個にスタートしたチェーン双方の会員が各々のサービスを相互に利用できる、業界初となったこの取り組みは、新しい社会インフラとしての可能性を秘めている。
2020年11月時点で「H¹T」は都心部を中心に37拠点、「SoloTime」は首都圏郊外の主要駅近傍に15拠点を展開。今回の提携を起点に、さらにネットワークを拡大し、ニューノーマル時代のワークプレイス需要に応えていくという。
今回は、「H¹T」を展開する野村不動産専務執行役員の黒川洋(以下黒川)と、「SoloTime」を提供する東電HDビジネスソリューション・カンパニー・プレジデントの茨木久美(以下茨木)が、不動産業大手とインフラ産業大手、それぞれの経営視点で、時代の潮流を読み解くとともに、提携の意味や未来のサテライトオフィスの可能性を語り合った。
多様化するニーズ これからはオフィスのAs A Service化が進む
かつてオフィスは、人が一箇所に集まり情報収集をする場所であった。それがテレワークを通して、事務処理的な作業はどこでもできるという考え方へシフトしているという。黒川と茨木は、オフィス需要の変化をどう読み解き、将来のあるべき姿をどう予測しているのだろうか
黒川:当社のオフィスビル事業全体でみると、コロナの影響で解約の動きも多少あるものの、逆に増床を検討されるようなポジティブな動きもあります。
需要という意味では、「組み替え」が起きていると思います。人が働く限り、働く「床」の総量は変わらないわけですから、世に言うオフィス不要論は、正確にはオフィス多様化論であり、今後はオフィスの多様化・分散化が進んでいくと予想しています。テレワークの浸透で、一人の人が本社、自宅、サテライトオフィス等複数の施設を利用すれば、全体の床の需要はむしろ増える可能性すらあるのではないかと考えています。
サテライト型シェアオフィス「H¹T」に関して言うと、契約会員数は緊急事態宣言以降に一気に4倍増。それに併せて拠点数も拡大しており、単独では37拠点、相互利用提携を結んだ「SoloTime」などの拠点を合わせると、全57拠点まで増加しています。また、「H¹T」に加え、スモールオフィスの「H¹O」やミッドサイズオフィスの「PMO」への関心も従来に増して高まっており、企業側は、多様なオフィスを組み合わせてよりよい働き方を実現する、言い換えると「オフィスのポートフォリオ思考」が、今後はますます浸透していくのでは、と考えています。
H¹T 新宿西口 会議室
茨木:私どもの「SoloTime」は郊外型のシェアオフィスというジャンルになるので、「自宅の近くで在宅勤務に替わる使い方ができる」という点に着目した方からのお問い合わせが増えていますね。
その背景には、家で落ち着いて仕事ができる人はそれほど多くはないという現状があると思います。人によっては通信環境が十分に整っていなかったり、作業用のスペースがなかったり。子育て中だと家族に遠慮してウォークインクローゼットの中やクルマの中で仕事をするといった人もいる、という声も実際に聞いています。また、在宅勤務が恒常化するにつれて、「オンとオフは切り替えたい」「家ではアイデアが湧いてこない」など、新たな課題も生まれており、「SoloTime」はこのような状況を解決するための装置であり機能であると認識しています。今後ですが、コロナ以前の元の形に完全に戻ることはないと考えており、ワークプレイスも、ひとりひとりの働き方や業務内容にあわせ、いいとこどりをすれはよいと考えています。
Solotime 津田沼
黒川:全体の流れとしては、オフィスの多様化・分散化が今後ますます進むと思います。都心一極集中、たとえば東京駅周辺から、池袋・新宿・渋谷・五反田・品川のような山手線沿線への需要の広がりが出てくるだろうし、もう少し住宅地に近いところ、たとえば中央線であれば中野・吉祥寺・立川などにも広がっていくと思っています。
また将来的には、オフィスのAs A Service化が進むのではないかと感じています。というのも、以前はオフィスに行かなければ仕事ができず、オフィスが仕事をするための入り口「ポータル」だったのが、いまはタブレットとパソコン、WiFiがあればどこでも仕事ができるという環境になってきて、デジタルデバイスが仕事のポータルになっている。そうなると、オフィスの担う役割が大きく変わっていく。そのひとつの形が、“使いたいときに使いたい分だけ借りる”、従量課金制のサテライト型シェアオフィスなのではないかと考えています。
茨木:おっしゃる通りだと思います。今後コロナが収束したとしても、この新しい働き方の良さを知ってしまった以上、もう元には戻れないですし、一方で、いくつか課題も見えてきているので、多くの企業が在宅勤務の恒常化やサテライトオフィスなどの活用を視野に入れ、オフィスの再編成をしていくはず。今後は、会社と自宅、サテライトオフィスを業務内容や状況に応じて使い分けるハイブリッドの時代になっていくのではないかと思います。
そして、私どもは、いまはユーザーにとっての利便性が高い「駅近」にこだわっていますが、ショッピングセンターの中やリゾート地など、いろんなところに可能性があり、広範囲に、ワークプレイスのネットワークが広がっていくのではないかと感じているんですね。そういった意味でも、世の中の潮流を俊敏にキャッチアップしていく必要があると思っています。
黒川:ニューノーマルの時代においては、働く場所を人々の暮らしに近づけるという逆転の発想が必要になってくる。職住近接の概念も変わりつつありますね。
業務提携により、働く拠点のネットワークが拡大 場所にとらわれない働き方の実現へ
野村不動産のサテライト型シェアオフィス「H¹T」と東電HDの郊外型シェアサテライトオフィス「SoloTime」。その業界の垣根を越えた業務提携にはどんな狙いがあったのか? また、提携によるシナジーによって利用者にはどんなメリットがもたらされるのか?
黒川:我々は、都心部におけるタッチダウンニーズ、たとえば営業先に行く前後や帰宅前の短時間利用を想定して都心を中心に展開しており、一方、東電HDさんは郊外特化型ですので、拠点地域を補完できるというメリットがあると考えたのが、提携の背景です。
提携に際しては、双方の施設を契約し、相互に利用して使用感をリサーチする期間を設けました。その結果、私自身も現地を視察する中で、「SoloTime」の女性利用をイメージした内装や、ブースを仕切るロールスクリーンなどの調度品等、こだわりを持ってつくられた空間を体感することができ、同じ方向を向いて事業を推進していく事業パートナーとしての親和性を認識できたんですね。ユーザーからみても同じ品質の商品として捉えてもらえると考えました。提携にはコンセプトが似ているということも重要なポイントであったと思います。
茨木:私も同じ気持ちでした。郊外の店舗だけではお客様のニーズに応えられないというのは当初から感じていましたので、都心の使いやすいところに店舗があり、全国展開も進めていかれる野村不動産の「H¹T」との提携はとてもありがたいお話でした。
また、シェアオフィスというのは、ゴージャスなところから作業場のようなところまで、店舗のつくりにいろいろ特徴があるのですが、「H¹T」の空間は、シンプルながら使いやすくて、居心地がいい。「SoloTime」といっても違和感がないくらい、しっくりきたんですね。実際に黒川さんともお会いして話をするなかで、「H¹T」の事業思想である「HUMAN FIRST(ヒューマンファースト)」の考えにも共感を覚え、意気投合して、今回の提携に踏み切りました。
黒川:我々は、「HUMAN FIRSTでナンバーワンを目指す」というのを目標に事業を進めています。これまでのオフィスというのは、作り手や管理する側の都合が優先されることも多々あったと思うのですが、そうではなくて、そこで働く個人の目線やニーズに寄り添おうと決めたのです。働く個人にとって嬉しいオフィスであることは、社員のモチベーションを高め、企業にとってもいちばんの成長戦略になるはず。「個のパフォーマンスの最大化」を実現するオフィスを提供するのが、我々のミッションなんだという思いを、常時、社員で共有しています。
茨木:コンセプトが浸透しているのは素晴らしいことだと思います。「SoloTime」は、社内の働き方改革を通して一人ひとりの働きやすい環境を探求した結果、サテライトオフィス事業を立ち上げるに至った、という経緯がありますので、「個に寄り添う」という点に非常に共感が持てるんです。
黒川:この事業提携で相互送客が可能になることで、双方のユーザーの選択肢が増え、オフィスなど都心で働く際や出先での空き時間には「H¹T」、自宅近辺など郊外でテレワークをする際には「SoloTime」を利用することで、働き方の幅が広がるというのがいちばんのメリットになるでしょう。そのことは、今回の提携の狙いでもあり、提携によるシナジーによって場所にとらわれない多様な働き方の実現に一歩近づけたと思っています。
また、働き方改革の本来の目的である、人間の幸せな生き方とでもいいますか、ワークライフバランスの実現にも貢献できるのではないかと考えています。
一人の従業員が本社、自宅、サテライトなど複数の働く場所から、業務内容に照らして最も適した場所を選んだり、移動時間を削減できる場所を選んだり、家庭生活とのバランスを図りやすい場所を選ぶなど、さまざまな観点で働く場所を選べば、一人ひとりにとっての理想のワークライフバランスに近づいていけるんじゃないかと。我々ができることは、その選択肢をできるだけ広げること。その意味でも今回提携する意味がありました。
茨木:一人ひとり置かれている環境が異なるなかで、その方にふさわしい仕事とプライベートのバランスは日々変わっていくと思います。たとえばご両親に何かあれば介護ということになりますし、自分らしくキャリアアップを図りたい人は勉強する時間がほしいということになりますから。今後、拠点数を増やしていく過程においても、そういった多様なニーズを踏まえながら、いちばんいいバランスで仕事をできる環境を提供してあげられたらいいなと考えています。
「個に寄り添う」という共通認識で結ばれた「H¹T」と「SoloTime」。それぞれの開発意図と特長は?
提携にあたって黒川、茨木の両氏が大切にしたポイントのひとつが、「個に寄り添う」というコンセプトの類似性であった。その原点から創造された「H¹T」「SoloTime」それぞれの空間や取り組みの特長はどのようなものなのか。
黒川:「H¹T」は、「HUMAN FIRST(ヒューマンファースト)」の思想の下、働き方改革を後押しするということで、昨年10月にローンチしました。
ブランド名はヒューマン・ファースト・タイムの頭文字をとった造語で、各企業のユーザーに、使い勝手がよく、居心地のよい空間を提供したいという願いを込めています。予約や施錠などはデジタルを活用して利便性を高め、入室後は、ワンランク上の上質感をともなう空間の中で、リラックスした状態で高いパフォーマンスを発揮していただく。そんなシェアオフィスを目指しています。
ユーザーの「個のパフォーマンスの最大化」を実現するために大切にしているのが、「個」に寄り添う我々自身の姿勢です。竣工時にベストな状態であるのは当たり前のこと。ユーザーの使用感をヒアリングしながら随時改善を加え続けています。
たとえば、ユーザーのテレビ会議ニーズの高まりに合わせ、これまで会話不可であったブース席にサウンドマスキングなどの機能を加えることで、機密性の高くない会議が気楽に開ける席も整備する一方、機密性の高い会議が必要な場合用の1名個室も大幅に増やしました。また予約システムについては、ユーザーの利便性向上のため、ログイン・予約時のクリック数を大幅に減らす予約アプリを導入するなど多くの改善を施しましたし、総務や人事など企業側の管理ユーザーの管理ツールについても、企業形態にあわせた積極的な修正を加えています。さらに、わかりやすい従量課金システムの採用、料金自体もなるべく多くの社員の方々に使っていただけるようリーズナブルな設定となっているのも、特長のひとつかと思います。
H¹T 品川 オープン席
茨木:「SoloTime」は、働き方改革を検討・実行するなかで生まれているので、私たちがユーザーそのものであるのが強みだと思っています。私はシェアードサービスを提供する部署にいるのですが、社内の中でもけっこう女性が多い職場なんですね。短時間勤務の人も多く、男女問わず育児や介護をしている社員も多い。そこで、みんなが働きやすい環境とは何か、を考えていったんです。
在宅でもなく、会社でもなく、通勤時間を減らせる場所を必要条件に、最終的に、郊外エリアの駅近のシェアオフィスという案に行き着きました。けれども社員はいろんな場所に住んでいますから、ひとつの企業の中で数多く設置するのは難しい。他の企業さんにも同じようなニーズがあるのなら、電気、ガスに続く、テレワークを支援する第三のインフラ、そういう基盤のようなかたちで、社員が快適に働くことができる場所を提供できないかと考えたのです。
事業化にあたっては、実際に社員に2年間のシェアオフィス生活をさせて、いろんなシェアオフィスを体験してもらいました。各企業の人事部の方や社員の皆さまからのアンケートもいただき、これだったらニーズがあるので事業としてやっていけると判断しました。「SoloTime」は、まさに自分たちが働きたい、使いたいオフィスの具現化なんですね。
企画開発メンバーには女性も多く含まれていました。それにより女性が使いたいと思える内装やオフィス家具を採用したり、女性専用ブースを設けたり。土日も家の近くでほんの少し仕事ができればいいという意見も反映して土日営業を実施するなど、さまざまな経験に基づいた店舗づくりをしています。
また、コロナ禍においてテレワークが進み、現在ではWEB会議が可能なスペースのご要望を多くいただいています。お客さまの個室ニーズにこたえるべく、新規店舗開発もさることながら、既存店舗の改修も順次進めています。
Solotime 自由が丘
黒川:「H¹T」では、ユーザーの声をタイムリーに反映するという意味で、予約管理から請求までの全体のシステム設計を自社で組み立てし、営業を自社で行い、社員が直接ユーザーの企業各社と対話し、使用感のヒアリングやクレーム対応も直接実施していることがひとつの特徴でもあります。
たとえば、多くのグループ会社を持つホールディング企業が、グループ会社の利用状況をモニタリングできる仕組みや、逆に大企業の本部ごとや部ごとに請求書を分けて発行する機能等は、運営をしていく中で各社からご要望をいただき、改善を加えたシステムです。一見時代と逆行したシステムの自社による組み立ては、こうしたスピーディーな機能改善を見越した戦略的な取り組みでもあり、他社が模倣困難な強みだと思っています。
また、先ほどシステム改善の話をしましたが、新商品や新サービスにおいても、ユーザー企業様の声をいち早く聞き取り、自社開発ならではのスピード感ある導入を進めていきたいと考えています。
今後も東電HDさんとの協業のなかで、顧客や社員が相互のサービスを予約・利用することで、お互いの長所や配慮を学び合い、システム・設計・サービス・仕様などの更なる進化を目指していきたいと思っています。
どこでも使える便利なワークプレイスから、豊かさを育むライフプレイスまで サテライト型シェアオフィスの無限の可能性
サテライト型シェアオフィスが社会インフラとして整備され、利用者がその機能を使いこなしていったその先には、どんな新しい世界が展開するのだろうか。黒川、茨木がそれぞれに思い描く夢・希望を語り合い、その具現化に向けての戦略を示した。
黒川:サテライト型シェアオフィスは、単なる時間短縮のための拠点という以上の価値が生まれていると思います。今回の提携によって一気に拠点が増え、ネットワークで仕事ができるようになり、それがインフラになっていく。そうすると、次の段階では、働くだけではない多様な使い方が生まれてくるのではないかと考えています。
これはあくまでもアイディアベースですが、自己研鑽の場にしたり、英会話や音楽レッスンの場にしたり、人材交流、さらには家族のコミュニケーションの場として使うことも考えられる。そうして新しいニーズが出てきたら、ハード面でのアタッチメント、たとえば防音装置などをつけたり、逆に室内に向けては会議システムやプロジェクター等の会議用のガジェットを追加で設置したりしてもいいかもしれません。お客様の新しいニーズに応えていくことで、将来的にはワークプレイスとして機能から、「ライフプレイス」というところまで役割が拡大する可能性すらあると思います。
茨木:会社でもなく、自宅でもない、その中間にあるというのがおもしろいところですよね。実は、「SoloTime」の中には保育所と提携して併設している店舗もあるのですが、他にもサテライトオフィスの中に、健康・美容・食といったなどの生活に密着したものを取り入れるといったことも考えられます。地域コミュニティとコラボレーションしたりすることで、一人の幸せから家族の幸せ、ひいては地域社会の幸せにもつながっていく。いろいろ考えるとまだまだ発展が期待できますね。
黒川:サテライト型シェアオフィスはその社会的意義から、これからの社会にとってなくてはならないインフラとなっていくということを、今回の対談を通して改めて実感しました。東電HDさんはそれこそ巨大なインフラを持っていらっしゃいますから比べものにはならないのですが、一拠点ごとの開発を手掛けてきた不動産会社からすると、、サテライト型シェアオフィスは必要不可欠な社会基盤になっていくという感覚があり、今後さらに「H¹T」「H¹O」「PMO」も含めた拠点整備、ネットワーク整備、サービスの充実を推進していきたいと思っています。
「H¹T」については、2027年度中に都内をはじめ郊外、さらには地方展開を念頭に当社開発150拠点+提携約150拠点を目標に掲げていますが、営業を通し、企業様から強い引き合いを頂いておりニーズ高さを強く実感しておりますので、他社様のお力もお借りしながら、加速も視野に入れる意気込みで拠点数を伸ばしていきます。
茨木:サテライト型シェアオフィスをテレワークのインフラというかたちで提供するためには面的な広がりが必要ですから、拠点はしっかり持つことが大事です。より多くの方に利用いただくため、ここ1~2年で主要路線を網羅し、提携を含めて100店舗を目指したいと考えています。
出店済みの拠点については、さまざまなサービスとのコラボレーションにより、郊外立地に今後必要となるソフトサービスの拡充も進めたいですね。それによって、各エリアに居住する人々の暮らしがより便利で豊かになることを目指したいと思います。
コロナ禍がもたらしたものは不安だけではなく、「個」としての充実した働き方や生き方、家族の幸せな暮らしを考えるきっかけになったことは間違いない。サテライト型シェアオフィスが社会インフラとなった先の世界が確かな鼓動を打って垣間見える。いまこのときをポジティブに捉えて生きることが、未来の価値をつくることにつながるのではないだろうか。
Forbes JAPAN Web 2020.11.30 配信記事より転載
text by Rei Igarashi / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro