【後編】コクヨ株式会社が自社オフィスをリニューアル 〜ニューノーマル時代の新しい働き方〜
前編に引き続き、コクヨ株式会社のリニューアルしたオフィス「THE CAMPUS」のライブオフィス機能をご紹介します。さらに、SoloTimeをはじめとするテレワークオフィスとセンターオフィスをどのように使い分けていくのか、これからの働き方について、コクヨ株式会社の吹田さんと川田さんにお話を伺いました。
仕事が「整う」、「捗る」ためのオフィス機能
ーコクヨ株式会社のライブオフィス・5階「整う」フロアの特徴を教えてください。
吹田さん:ここは、仕事に向かう心身のコンディションや仕事の段取りを整えるためのフロアです。総務スタッフが常駐するコンシェルジュカウンターで郵便物を受け取ったり備品を調達したり、チームのバックサポートメンバーとその日の仕事内容について情報共有します。そのため、仕事前に立ち寄ることが多いです。
川田さん:社員も毎日出社することが減ったため、たまに出社した際の手続きや、事務的なことでわからない点があれば、すぐにコンシェルジュカウンターで解決することができます。
吹田さん:フロアの随所に植物が配置されており、心に安らぎを与え、メンタル面も整うよう工夫されています。これは、SoloTimeの空間デザインにも活かしています。
ー4階「捗る」フロアの特徴を教えてください。
川田さん:徹底した集中ワークができるフロアになっていて、在宅勤務では揃えることが難しいハイスペックな作業環境を整備しています。例えば、ワイドモニターやトリプルモニター、上下昇降デスクや座っていても疲れにくい高機能チェアなど、さまざまな仕様のワークステーションで構成されています。
吹田さん:僕はソロワークをするときにこのフロアを使っています。在宅では実現できない仕事の環境がやはりあるので、仕事をするための設備が揃っていると集中できますし、仕事も捗ります。あと、Web会議やより集中して作業したいときのための個室席「ワークポッド」が設置されています。オープンな空間でWeb会議をしていると、周囲の人は声が気になって仕事に集中することができません。ワークポッドをフロアのサイドに置くことによって、Web会議をする人も周囲の人も集中して仕事に取り組むことができます。セキュリティ面でもそのほうが安心です。ワークポッドはSoloTimeでも八王子店、藤沢店、東戸塚店などで取り入れています。
SoloTime八王子店ではソファタイプのワークポッドを4台設置
効率的に仕事を進めるために、仕事をする“場所”を使い分ける
ーセンターオフィスとテレワークオフィスの使い分けで、どう効率的に仕事が捗るのでしょうか?また、オフィスリニューアル後、社員の働き方や意識は変化していますか?
吹田さん:これからのワークプレイスを考えたとき、ファーストプレイスは自宅、セカンドプレイスはセンターオフィス、サードプレイスはSoloTimeなどのテレワークオフィスやカフェといった働き方に。さらに、フォースプレイスとしてWeb会議などのデジタルを取り入れた働き方が加わってきました。そして、社員全員が揃って会社に来なくてもいいようになり、オフィスに残していく機能は何か、オフィスの価値は何かを考えています。
そういった中で、今センターオフィスは人と人が出会って情報収集をし、アイデアを生み出したり情報提供したり、お互いに学びを得る場所になっています。SoloTimeのようなテレワークオフィスや在宅では、個人でもできる仕事を行う場所になると思います。個人で進める作業なのか、チームで集まるほうがよいかを考えて仕事をする場所を使い分けると、効率よく仕事ができると思っています。
出典:コクヨ 「WORK TRANSFOMATION Vol.2」
THE CAMPUSになって思うのは、仕事をする場所をフロアごとに使い分けて働いているので、働き方への意識は変化してきていると思います。その人がなぜこのフロアにいるのかをお互い理解するようになってきて、集中しているから今は話しかけないでおこうとか、相手の仕事状況を尊重するようになり、前よりもチームで仕事が進めやすくなりました。
川田さん:これまでのフリーアドレスでの働き方ですと、その人の仕事状況があまりわかりませんでした。でも、リニューアル後のフロアごとにテーマを定めた場所で、本人が意思を持ってそのフロアにいることを考えると、前よりもコミュニケーションが取りやすくなったと思います。
当社はオフィスでの働き方を提案している企業でもあるので、積極的に出社してセンターオフィスの価値を見つけようと試みています。そして、自律的に働くためには対話することが必要になってきます。出社したときこそ表情を見ながら会話を重ねて、なかなか言いづらい相談事やWeb会議では伝わりにくい話を積極的にするなど、そういった変化も見られ始めました。
ーオフィスでの実証・実験をこれからどのように仕事へ活かしていきたいですか?また、今後これらのオフィス機能をSoloTimeの設計にどう活かしていくのか教えてください。
吹田さん:お客様にオフィスの在り方を提案する前に、まずは自分たちが実験して試す。そして、得た知識や知見をお客様の提案に活かす。これが当社の企業姿勢です。なので、これからもそれは続けていきたいと思っています。それにプラスして、今までなかったデータを取得し蓄積していけるようになったので、オフィスのリニューアルで得たデータや情報通信技術、パブリックエリアで社外の人から得たことなどを、SoloTimeの設計にも活かしたいと思っています。
ソロワークするフロアだと思っていたけど、コミュニケーションが必要になってくるとか、チームワークも必要だとか、これからも新しい発見が次々あると思います。SoloTimeのようなテレワークオフィスにおいても、今後、利用者同士のコミュニケーションがそこで生まれるかもしれませんし、そういった発見にも繋がっていくはずです。そして、その発見がデータと一緒にお客様に提案できることが今後は重要になってくると思います。
コクヨ株式会社が目指す、ニューノーマル時代の働き方
ー個人と会社が成長するためには、今後どのような働き方が必要になってくると思いますか?また、コクヨ株式会社の働き方の指針を教えてください。
吹田さん:個人と会社が成長するためには、自分を律する働き方がより求められていくと思います。今まで視点が欠けていたと思うのは、チームの多様な自律。それも今後は見ていく必要があると思います。自分らしさもありつつ、チームでお互いを認めて協力する。その上で、お客様や社会に働き方の価値を提供していくことが必要になってくると思っています。同時に、お客様や社会の課題に“共感共創”できることが当社の強みなので、お互いのユニークさを認めてお客様と協力していく、共に働いていくことを目指していけたらなと。
これからのワーカーには、創造性が求められてきます。自律した個人同士が社内外でもチームとして働くことで新しい組み合わせが生まれ、イノベーションを起こすことに繋がっていくと思います。
川田さん:今後もお客様に価値を届けて社会から必要とされるために、2030年に向けて当社は長期ビジョンを掲げました。
企業理念は「be Unique.」。創造性を刺激し続け、世の中の個性を輝かせる企業でありたいと考えています。そして、コクヨ株式会社というブランドを通して、お客様に実体験を活かした新しい働き方や学び方を常に提案し、成長し続けていきたいと思っています。